2014.5.17


 日本百名川



 山があるのなら、川があってもいいじゃないか。

 合言葉も、「山」といえば「川」だ。

 ということで、つれづれなるままに、川を選びはじめた。


 名山とは言うが、名川とはあまり聞かない。

 ちなみに、パソコンにメイセンと入力しても、名川とは変換してくれない。

 あまり一般的ではないようだ。もしかして無いのかもしれない。


 「名」で修飾された言葉は、名人を始め名花、名品、名車など沢山ある。

 並べてみるとその意味合いは、立派なとか、素晴らしいとか、大衆が認めた優秀な評価を表しているようだ。

 あれは立派な山だなあ。とは言うけれど、立派な川というのはどうもイマイチしっくりこない。


 川は鑑賞の対象と言うよりむしろ、生活そのものだった。

 飲み水であり、厠であり、洗濯場だった。

 そして天候次第では、恐ろしい濁流となって人々に襲いかかった。

 鑑賞以前のさしせまった日常生活であって、また災害をもたらす負のイメージも重なって、

 川には名の修飾がピッタリ来ないのかも知れない。


 しかし、新緑や紅葉の渓流、早瀬に光る魚の群れ、河口近くを滔々と流れる大河など、

 登山道からも、車窓からも、川が近くなるとどうしてもその流れが気になってくる。

 川も山と同様、古来より鑑賞の対象でもあり、多くの画に描かれ、歌に詠まれた。

 やはり川にも日本人の心に刻み込まれた名川があるに違いない。


 日本百名山の選定基準は、品格、歴史、個性、標高だったが、

 これは後からとって付けた屁理屈のような、なんとなく胡散臭い感じだ。


 堅苦しい基準ではなく、大切なのは知識と経験による直感であり、独断と偏見こそ必要とされる。


 支流は本流に含まれるものとし、水系を旨としたが、もちろん例外はある。

 地域区分は、概ね河口のある地域とした。




北海道

東北

北陸

関東

東海

近畿

中国

四国

九州

天塩川 

高瀬川

三面川

久慈川 

狩野川 

宮川  

千代川 

吉野川 

遠賀川 

石狩川

奥入瀬川

荒川

那珂川

富士川

五十鈴川

日野川

那賀川

筑後川

尻別川

馬淵川

阿賀野川

利根川

安倍川

熊野川

斐伊川

仁淀川

菊池川

渚滑川

閉伊川

信濃川

鬼怒川

大井川

那智川

江の川

四万十川

白川

湧別川

北上川

関川

渡良瀬川

天竜川

日高川

高津川

肘川

緑川

常呂川

鳴瀬川

姫川

荒川

豊川

有田川

吉井川
 
球磨川

網走川

名取川

黒部川

多摩川

矢作川

紀の川

旭川
 
川内川

標津川

阿武隈川

常願寺川

相模川

庄内川

大和川

高梁川
 
山国川

釧路川

岩木川

神通川

酒匂川

木曽川

淀川

太田川
 
大野川

十勝川

米代川

射水川
 
長良川

加古川

錦川
 
五ヶ瀬川

沙流川

雄物川

手取川
 
揖斐川

揖保川


 
耳川

鵡川

子吉川

九頭龍川
   
由良川
   
大淀川
 
最上川
   
円山川
   
安房川
 
赤川
         
浦内川





 川とは、単に水が高いところから低いところへ集まって流れているだけのことだが、

 その流れのおかげで、多くの生き物が生まれ育ってきた。

 また、文明はナイルの賜物であり、川は人にとって無くてはならない自然だった。

 飲み水であり、洗い場であり、流し場であり、漁場であり、産業であり、交通だった。

 しかし近年、利便追及の結果、日常生活から川が遠くなり、それどころか災害をもたらすものとして、

 厄介者扱いされ、ダムで堰き止められ、河岸はコンクリートで固められ、痛々しい姿に変わり果て、

 更には、農薬、下水、排水などによって汚され続け、今や川は瀕死の状態となっている。

 なんとかして助けなければ、取り返しのつかないことになりそうだが、そう簡単な話ではない。

 まずは、川を知ることから始めなけれななるまい。

 美しき日本の川を、いつまでも世界に自慢したいものだ。