沙流川 (さるがわ)


 小樽の居酒屋で分厚い鱈の塩焼きに舌鼓を打っていると、

 相席となった地元のサラリーマンから、魚が好きなら鵡川のししゃもがお薦めだと教えてもらった。


 それから十数年後、初めて日高地方を訪れた。ししゃもの本場は鵡川よりむしろ隣の沙流川だった。

 たしかに馴染の銀色細長とは別物であり、太くて茶褐色で食べごたえがあった。

 
 沙流川沿いの国道を遡り、支流となる額平川の徒渉を繰り返し、山小屋に宿泊。

 翌朝、幌尻岳に登頂した。

 日高の主脈を周回し、山小屋へ戻る途中、額平川に滑り落ちた。ジャバ〜ン。

 ずぶ濡れになり、沢道をパンツいっちょで引き返した。