常願寺川 (じょうがんじがわ)


 さらに短小急流である。

 日本どころか世界屈指の急流だ。
 
 標高三千メートルの立山連峰から、富山湾まで五十数キロを一気に流れ落ちる。

 明治時代、河川改修を担当したオランダ技師曰く、「これは川ではない。滝だ」


 そうなると当然のことだが、土石流、洪水など災害が頻発する。

 上流域で集中豪雨でもあれば、ドヒャ〜ッと滝のごとく暴れ流れ、富山平野を水浸しにするのである。

 住民はたまったものではない。

 その名は、氾濫が起きないように常に願っていたからという説もあるそうだ。

 川よ鎮まり給え。


 川が急なら、道も急だ。

 富山から室堂へ行くには、途中ケーブルカーに乗り換えて急坂を上らねばならない。

 更に美女平でバスに乗り換えるが、室堂に向かう途中の滝見台から、称名滝が望まれる。

 急流の滝だけあって350 mという日本一の落差を誇る。