錦川 (にしきがわ)


 川より有名な橋が架かっている。

 その袂で佐々木小次郎がツバメ返しを習得した錦帯橋だ。

 桜の名所としても有名である。


 中国の西湖に架かる石橋をヒントに、1673年岩国領を治める吉川氏により創建された。

 初代のものは翌年流失するものの、2代目は頑丈で276年間人々に愛され続けたが、

 ついに昭和25年、台風により流出してしまった。


 再建に当たって、岩国市は国へ事業費補助を求めるのだが、

 な〜んと国はコンクリートによる架け替えを岩国市に要請したらしい。

 まったくあきれて開いた口がふさがらないとはこのことだ。

 国の言うとおりにしたら、味も素っ気もないことになり、岩国の宝がなくなっていたところだった。

 地元の粘り強い運動によって、元の姿に復元されることになった。


 山口県北東部の周南市を水源とし、南へ北へ大きく蛇行しながら、岩国市を経て瀬戸内海に注ぐ。

 河口で今津川と門前川に分流し、大きな三角州を形成し、

 米軍海兵隊や海上自衛隊の航空基地となっている。


 また、山口県で最も大きな川であるにもかかわらず、なぜか二級河川となっている。