黒部川 (くろべがわ)


 黒部源流の山々を周遊したのは、もう20年も前のことだ。

 光陰矢のごとし、月日の経つのは早いものである。


 折立から入山し、太郎兵衛平を越え薬師沢に下った。

 黒部川の源流が二股に分かれるところに、小屋が建っていた。

 そのころちょっと山をなめていたのか、軽快とばかりにランニングシューズで北アルプスを闊歩していたが、

 薬師沢に下る途中、靴の裏が剥げてベロンチョになってしまった。しまった!山奥で大変なことになってしまた。

 薬師沢小屋は山人だけではなく、釣人も多く、運よくアロンアルファが売ってあった。

 早速買って接着し重しをすると、翌朝には完璧にくっついていた。

 ぞれからというもの、山の何でも袋の中に必ずアロンアルファを入れている。


 黒部川は鷲羽岳を源頭とし、黒部五郎、薬師、鷲羽、水晶、赤牛等で囲まれた雲ノ平の水を集め、

 ダム湖や上下廊下の黒部峡谷を経て、広大な扇状地を作り富山湾に注ぐ。

 黒部峡谷は立山連峰と後立山連峰の二大山脈を画する大峡谷であり、特別天然記念物に指定されている。


 平野の背後に飛騨山脈、飛騨高地が控えているためか、富山湾にはいくつもの川が流れ出している。

 富山七川といわれる。

 東から黒部川、片貝川、早月川、常願寺川、神通川、庄川、小矢部川である。

 多くは急流かつ清流で、日本の川の特徴が凝縮されている。短小急流である。


 ホタルイカ、白エビ、ブリなど豊かで美味しい富山の海の幸も、これらの川の恩恵かもしれない。

 豪雪が天然ダムとなり、一年中流れ出す冷たい雪解け水が、豊富な魚介類を育んでいるのだろうか。

 
 黒つながりぐらいであんまり関係無いが、富山ブラックも悪くはない。