安倍川 (あべかわ)
この文字からイメージされるのは、誰もが黄な粉餅に違いない。
静岡名物、安倍川餅というより、餅に黄な粉をまぶして食べるのを、単にあべかわと言わないだろうか。
安倍川岸で、徳川家康が茶店に立ち寄った所、店主が黄な粉を安倍川上流で取れる砂金に見立て、
つき立ての餅にまぶし、「安倍川の金な粉餅」と称して献上した。
家康は大層喜び、安倍川餅と名付けたという伝承がある。
江戸時代、大変貴重で珍しかった白砂糖を使って有名になり、東海道の名物となったらしい。
安倍川は、比較的大きな川でありながら、その流域は全て静岡市であり、
また、本流・支流にひとつもダムがない珍しい川となっている。
源流の大谷嶺の斜面は「大谷崩れ」とよばれ、
長野県の稗田山崩れ、富山県の鳶山崩れとともに日本三大崩とされる。
また、糸魚川静岡構造線の南端で、川を境に東西の地質構造が大きく異なる。