浦内川 (うらうちがわ)
沖縄県最長の川である。
安房川に同じく、長さや大きさを本土の川と比べるまでもないが、
南の島の明るく開放的な個性が光る。
河口は広大な三角江の干潟で、オヒルギやメヒルギなどマングローブが広がり、
三角江の外側には、鳴き砂や海亀の産卵で有名なトゥドゥマリの浜がある。
浦内川の上流から運ばれてくる白砂が堆積してできた岩石由来の砂浜であり、
珊瑚や貝など生物由来の砂浜が一般である琉球諸島にあっては珍しい存在だ。
遡るとマリユドゥの滝がある。
マリは「丸い」、ユドゥは「淀」のことで、円形の滝壺があることから付けられたらしい。
落差はそれほどでもないが、2段に分かれ水量も豊富で、日本の滝100選に選ばれている。
さらに遡るとカンピレーの滝がある。
カンピレーとは、「神の座」を意味するとされる。
あまり高低差のない滝が、約200mにわたって連続する。
近年、これらの滝を巡るエコツアーやジャングルクルーズ、カヌーなどが人気であり、
観光地として注目されている。
マラリア発生地であったため、定住することが困難であり、
第二次世界大戦では戦争マラリアと呼ばれる悲劇が生じた西表島の歴史からすれば、
隔世の感だろう。