網走川 (あばしりがわ)


 網走に行く前、網走と言えば刑務所が思い浮かぶだけだった。

 網走番外地、健さんだ。

 しかし、網走に行った後、そのイメージは大きく変わる。


 羅臼岳に登った後、網走川の畔のホテルに泊った。

 ホテルで教わった炉端焼きに行くと、巨大なホッケが天井から何本も吊るされ、

 注文すると、それまで食べたことのない肉厚でジューシーな驚きの美味だった。

 翌日、能取湖、サロマ湖を観光し、網走湖畔の温泉に浸かり、女満別から空路帰京した。


 さらに翌年冬、網走を訪れた。目当ては流氷である。

 ビッシリという訳にはいかなかったが、九州者には驚きの自然を楽しむことが出来た。

 今となっては、網走と言えば流氷とホッケが思い浮かぶ。


 網走川は、阿寒湖近く阿幌山に発し、大空町女満別で網走湖に入り、網走市からオホーツク海に注ぐ。

 流域はオホーツク海型気候に属し、夏は涼しく、冬は流氷が接岸し冷え込みが厳しい。

 網走湖は、数千年前にできた海跡湖で、湖畔には日本最大級のミズバショウ大群落が見られ、

 上部は淡水層、下部は塩水層という二重構造を持つ世界的にも珍しい湖である。


 流域には古くから人が暮らし、約千年前にオホーツク文化が、

 後に内陸から広まった擦文(さつもん)文化が栄えたと言われ、

 網走湖には縄文時代の珍しい湖底遺跡も発見されている。