【二日目】


 早朝5時前に出発

 相変わらずの曇天だが、明るいところもあり、雲は薄そうだ。晴れてくるかもしれない。


 谷間のお花畑で朝食とする。フリーズドライのフカヒレ雑炊に、昨夜の残りの御飯を入れて混ぜる。美味い。


 再び歩き始めると、とうとう雨が降ってきた。

 高度を上げるにつれて、雨は激しくなり、三国境からは横殴りの暴風雨となった。雨が横から背中とリュックの間に入ってくる。


 唐松の小屋まで足を延ばす企みは消えてなくなった。

 ゆっくり歩こう、雨の白馬三山。



 
 

 なんとなく着いてしまった白馬山頂。横殴りの雨。

 山頂から360°の大眺望のはずだったが‐‐‐‐。

 リベンジの想いは、脆くも崩れ果てた。

 しかたがない、また来なければならない。


   [写真提供Kさん : 本日は全てKさん。防水機能が発揮された。]


 
 
 白馬山荘のスカイプラザ。中は山上とは思えない雰囲気である。

 20数年前、ここから富山の夜景を見ながら、生ビールにフランクフルト

 を楽しんだのが、昨日のように思い出される。


 外は雨、今日の行程は短い。

 切り替えて、朝から飲み会とし、地酒を楽しむことにした。

 
  
 

 白馬岳のお花畑。クルマユリなどなど

 さすがに花の名山。お花畑が続く。


  
 
 杓子岳山頂のKさん

 なかなか辛い登りだったが、真っ白。


  
 

 白馬鑓ヶ岳山頂

 やっぱりホワイトアウト。


 
 
 白馬鑓を上る途中、雷鳥の親子が現れた。

 本日2回目。


  
 

 天狗山荘に付近には、ウルップ草がまだまだ沢山咲いていた。



 
 
 早くも天狗山荘に着いてしまった。

 時間がたっぷりあり、仕方がない、宴会するしかない。

  


 雨のためか客は少なく、今日の寝床は広々している。

 乾燥室でいろいろ乾かして、自炊場へ向かう。


 凄い風の音のなか、宴会していると、隣に英国人の単独行が座った。

 カレーヌードルを食い出した彼にちょっと話しかけると、なんと驚くなかれ、この風雨の中、やがて日も暮れるというのに、

 これから扇沢を目指して出発するとのことだ。

 たぶん今夜は唐松の小屋あたりで、リュックに体を突っ込んで休むとのことで、

 明日の昼には扇沢、チャレンジ!とのことである。

 覚悟は堅く、能力は高いと見受けられたので、ウォッチユアステップ&グッドラックと返した。

 地図を開き、破線の不帰険を差して、どういう意味かと尋ねられ、ユードントゴーホームと返したが、意味が伝わらなかったのか首を振っていた。

 ユーキャントゴーホームと返すべきだったか。

 小屋の人が、流暢かつ詳細に、今から行ってはいけないと諭していたが、イングリッシュマンは笑みを浮かべて出発していった。


 豚軟骨を玉ねぎとニンニクで炒め肴とし、文蔵原酒を楽しみ、すし太郎で〆た。


 【三日目へ】