日御碕神社から


2022.7.3

美保神社


どしゃ降りの出雲路。

出雲平野から宍道湖畔を

東へ向かう。


松江城と美保関、

両方行くのは難しそうだ。


松江城をパスし

そのまま美保関へ向かった。



島根半島といっても、

普通の半島とは

ずいぶん様相が違う。


陸に並行して東西に細長い島。

その島と陸の間が一部

埋まってつながり半島になった。


その島根半島の、

西の灯が日御碕灯台ならば、

東の灯は美保関灯台だ。


美保関灯台

駐車場から歩いて行った。


灯台の突端は地蔵崎。

その先に、地の御前、沖の御前

と言われる島がある。


静かな日本海

船の向こうに隠岐の島が見える。


隠岐の島をアップ

いつか行かねばなるまい。


国引き伝説によると、

美保之碕は北陸から、日御碕は朝鮮から

引いてきたらしい。


地の御前と沖の御前は

事代主の魚釣りの島で、

美保神社の境内となっている。


明治31年に点灯された

山陰最古の灯台。

世界の歴史的灯台100選。


駐車場に戻ると

島根郡の解説があった。


嶋根郡(しまねのこおり)


出雲風土記によると、

三穂の碕は八束水臣津野命が、

(やつかみずおみつぬ)

「高志の都都の三碕」から

切り取って引いてきた。


「つつのみさき」は珠洲と考えられ、

実際、出土土器などから、

北陸との交流が盛んだったようだ。


嶋根郡は島根半島の

東部にあった。


灯台から戻る途中

雲かかる伯耆大山が見えていた。


上天草から眺める雲仙に似ている。


ゑびす様の総本宮

美保神社に着いた。


神社横の青石畳通り


江戸時代、北前船で賑わっていた頃、

凝灰岩を敷き詰めて造られた。


雨に濡れると青く見えることから、

青石畳通りと呼ばれている。


風待ちの港、美保関は当時

西日本有数の歓楽街として栄えた。

遊郭が軒を連ね、

人口の1/4が遊女だったらしい。


青目の狛犬


同吽形


参道の階段を上る。


神門の下から拝殿を望む。


貫禄のある堂々とした拝殿


社務所で由緒書をいただく。


江戸時代の縁起が張ってあった。


御祭神は、

三穂津姫(ミホツヒメ)と、

事代主(コトシロヌシ)


日本書紀によると、

高皇産霊(タカミムスビ)は、娘の

三穂津姫を大国主に娶らせた。


事代主は言わずと知れた

大国主の子。

事代主とは、事知主であり、

どんなことでも知っている、

誠、真実の守神。


ちなみに事代主は

三穂津姫の子ではない。


神話の世界も複雑だが、

二人は義理の親子

ということになる。



一方、出雲風土記によると

大国主と高志の奴奈川姫の子

御穂須須美命(ミホススミ)が

座すので三保と云うとある。



祭神は元々御穂須須美だったのが、

記紀神話の影響により、

三穂津姫と事代主に替わった

とも云われる。


古い境内図も張ってあった。

これも江戸期だろうか。


明け透けオープンな拝殿


日本海海人の古社に

しっかり参拝する。


本殿

向かって左は事代主の神殿


本殿の裏手、雨上がりにしっとりと

泰山木が咲いていた。


若宮社

天日方奇日方命(鴨王)を祀る。


鴨王は事代主の子ともされる。


向かって右が三穂津姫の神殿


宮御前社

埴山姫を祀る。


一周してきた。


港との位置関係など

佐賀関の早吸日女神社

を思い出す。


大鼕(おおどう)

安政5年制作、明治6年奉納


祭神は歌舞音曲が好きで、

鳴り物(楽器)が多数奉納されている。

その中で最も大きいのがこれだ。


美保神社は想像以上に

立派な社だった。


出雲は、大社の印象が強いが、

他にも名社が多くあるようだ。


青石畳通り


ぼんぼりの裏に「だんだん」

島根でありがとうの意らしい。


神社の鳥居前に

廻船御用水があった。


おかげの井戸


江戸後期、大旱魃の際、

宮司が美保大明神に雨乞いした。

お告げがあり、ここを掘ったところ

真水がこんこんと湧き出た。

住民も廻船業界も助かった。



島根半島から境水道大橋を渡り、

弓ヶ浜を皆生温泉へ向かう。


昨日、菊萬を予約しておいた。


日曜日でお客さんが少ないのか、

大浴場がなんと貸し切り状態。

山陰の名湯をゆっくり堪能した。


夕食会場もほぼ貸し切り。

山陰の御馳走を楽しんだ。


さらに夏牡蠣を追加。

ブリデカ、濃厚、美味い!


酒は東伯の銘酒、「鷹勇」

純米吟醸なかだれ!



今回の旅では、玉造温泉、皆生温泉と

温泉旅館を楽しんだ。

これまでビジネスホテル&外食

のパターンが多かったが、

温泉旅館の方がくつろげるようだ。



翌日、7月4日(月)最終日

早朝から温泉に浸かる。


朝食もとても美味しくいただいた。


皆生温泉をあとにして、

もう一つの出雲一宮へ向かう。



熊野大社へ