十勝岳
(とかちだけ) 
 
 平成18年8月20日 
  ☆交通 : 白金野営場<RC>望岳台 ★ <RC>美瑛、富良野、国民宿舎東大雪荘泊 
 
  ★山道 : 望岳台、頂上P 
 
 
 
 (大雪山旭岳から)

 二日目、十勝岳を目指す。

 日の出前に白金野営場を出発。すぐに登山口の望岳台に到着。

 今日もすっきりしない、昨日と似たような曇天である。


 土石流跡のような広い山道を行く。

 真正面に十勝岳が見えるが、どこが頂上か分からない、茫洋とした山容である。

 今も噴煙を上げる活火山であり、昭和火口まで上ると、月面クレーターのような荒々しい山肌で、

 阿蘇中岳砂千里周辺を思い出させる。


 昨日からジーと鳴くこの声はなんだろうか、近づくと逃げもせず、蝉である。

 うるさいな 岩に弾ける 蝉の声 

 侘び寂びのない下俗な調子で月世界に響いている。


 冷めた溶岩の火山道を登り切ると、残念ながら昨日と逆で、

 山頂のみがガス、ホワイトアウト、何も見えません。


 頂上でおにぎりを食べていると、足元をチョロチョロ、何かと思えば、モグラではないか。

 あなたはどうして北の火山の頂にいらしゃるのか。

 溶岩は肌に痛そうだし、冬になると北の山頂はとても寒いでしょうに。

 もしかすると火山の地下は暖かいのでしょうか、尋ねる間もなく、地中へ行ってしまった。


 下山していると、若いカップルが登ってくる。男はつっけんどんに先を急ぎ、

 かなり離れて美女が下向き加減できつそうに付いて来る。

 若気の至りは分からぬでもないが、寄り添わぬまでも声を掛けるなり、

 ゆっくり前を行かせるなり、少しは相手の息遣いを思い遣ることがなければ、

 やがて悔いることになるであろう。


 余計なお世話に耽っていると、登山口に到着。

 振り返ると雲がとれ、青空に十勝岳。隣の美瑛岳もスッキリとした名山である。


 美瑛駅前で昼食。テレビは甲子園の決勝戦。駒大苫小牧が頑張り、北国へ活気をもたらした。

 美瑛の畑風景を観光し、日勝峠を回ってやっと東大雪荘に到着。今日も外は真っ暗。

 ここは素晴らしい宿で、でかい露天風呂が二つもあり、食事も鹿料理にトカップで大満足。


  
 
 土石流跡のような山道
 
   火山丘陵
 
 
 晴れそうで晴れない
 
   奥に頂上
 
 
 植生無しの火山
 
   白い泥
 
 
 ギザギザの荒々しい山容
 
   頂上振り返る
 
 
 ジーと煩いエゾゼミ
 
   昭和火口
 
 
 下山後晴れてきた十勝岳
 
   美瑛岳
 

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