2017.8.10〜12


これまで歩いた北アルプスの地図に残る空白地帯。

これを行かねばなるまい。

地図を眺めるたびに思いは膨らんだ。


種池山荘から烏帽子小屋へ縦走し、

朝日岳から焼岳まで、北アルプスの主脈がつながった。



台風一過

湖水への流れは濁り、木曽三川は溢れんばかり。

鮒鮨や彦根の城に雲かかる


新幹線など乗り継いで信濃大町、前泊。

美寿々の地酒と蕎麦に舌鼓を打って前祝い。

翌朝、九日町から2便目のバスに乗車した。

ガラガラ貸切状態の車窓からは、鹿島槍が見えていた。




久しぶりの扇沢。 うは〜空気がなんとも爽やか。

今年も北アルプスへ来れて嬉しい限り。

神様ありがとう。



 

水を汲み、おにぎりをいただき、

8年前に下った柏原新道を上る。

目の前に岩小屋沢岳が迫って来た。




うひょ〜早速針ノ木が見える。 

明日はあの稜線を歩く。




懐かしの種池山荘が見えてきた。 周辺はお花畑。




中東の何とかいうパンを焼いていた

相席の美人さんと軽口をたたきながら、

早速生ビールをいただく。

うまい!最高!




種池から蓮華岳。 どっしり根張ったでかい山だ。




立山連峰も眺められる。




種池を出発し、空白の縦走路に入る。

振り返ると山荘に爺ヶ岳が見える。

種池から先は急に人気が無くなった。

誰もいない貸切の縦走路。



 

おっと、右手に鹿島槍が見えてきた。

東斜面から雲が湧き上がっている。




何度も振り返っては眺める爺ヶ岳



 

岩小屋沢岳登頂

ついにガスが出てきた。



 
 

岩小屋沢岳

やはり後立山連峰、白馬連山と同じように

東側が切れ落ちる非対称形である。




針ノ木にもガスが掛かった。

針ノ木雪渓が見える。



 

新越山荘が見えてきた。

正面は明日最初に上る鳴沢岳




新越山荘着。今日はここまで。

山荘は思っていたよりきれいでしっかりしている。

客は少なく3〜4組。

福岡の父子の方と相部屋になり、

お互いに九州ですかと驚いた。

20時就寝。



 

4時起床。

明るみ出して出発。

山々には雲が掛かっている。



 

鳴沢岳登頂 斜めの頂上柱




赤沢山頂近くの雷鳥、サンダーバード。

名のとおり天気が崩れると出てくる。

なぜそんなに逃げないのか。




やっぱり傾く赤沢岳山頂柱




縦走路はところどころ東側が落ちている。




雲のサンドイッチ



 

スバリ山頂着。黒部ダム湖が見える。

腹が減った。ここで朝飯タイム。

湯を沸かし、朝カレーをいただいた。



 

スバリで晴れそうだった針ノ木も、

やっぱりホワイトアウト。


賑わう針ノ木小屋を素通りし、

蓮華岳へ向かう。



 

蓮華岳には女王様がたくさん。

ちょっと遅かったようだが、

あきれるほどにたくさん咲いていた。



 

蓮華岳登頂

若一王子神社奥宮

石柱の裏側には、北アルプス総鎮守とある。

総鎮守に主脈踏破を祈願した。



 

どっしり大らかな総鎮守の頂




礫場にコマクサ、ツメクサ、ジャコウソウが咲き誇る。




蓮華岳を振り返る。

少し明るくなってきた。




蓮華の大下り途中、先を眺めてボーゼン。

縦走路ちゅうより、別々のでか山が2つ。立ち塞がる。

下って上って、下って上る?

くら〜




蓮華の大下り

なだらかだった山容が豹変。一歩一歩油断ならない。

気を入れて下りきる。そして北葛岳へ上り返す。



 

蓮華を振り返る。

東斜面に雲が湧き上がる。



 

ついに晴れ上がった針ノ木岳

お見事。 カッコイイ。




明日の稜線が見えてきた。

やっぱり下って上って下って上って、こりゃ〜大変じゃ。

不動岳の崩壊が痛々しい。




北葛岳登頂

パワーがなくなってきた。

つまみ用だったミックスナッツを頬張る。

一休みして縦走再開。


今日何回目?

またまた下って、更に上り返す。



 
 

ようやく着いた七倉岳

もう今日の宿は近い。



 

ランプの宿、船窪小屋。やっと着いた。お疲れ〜。

布団を敷いて、外のベンチで飲んでいると、

隣席からスコッチロックをいただいた。

ロック?七倉から氷を持ち上がってきたとのこと。

参りました。

おかげで山上のロックを楽しむことができた。


晩飯は噂通り。

いろんな山菜の天ぷらやクロマメのデザートなど御馳走だ。

美味い、素晴らしい。

球磨焼酎で酩酊。おやすみなさい。


翌日、例によって薄明かりとともに出発。




船窪乗越にて朝食。今日は小屋のおにぎり。



 

尾根の北方は見事に崩れ落ちている。




蟻の戸渡りを慎重に渡る。

この先船窪第2ピークまで、

ロープ、クサリ、ハシゴが続々。

相変わらず下って上って下って上るの連続。




船窪岳あたりの展望所から

遠くに槍が見えてきた。

昨年の表銀座ルートが見える。

高瀬ダム湖




あちこち痛々しい不動岳



船窪第2ピーク到着

こちらの方が高く大きいのに、なぜか第2ピーク?

この先とうとう雨が降って来た。



 

雨の不動岳


更に南沢岳も雨。ホワイトアウト。

南沢の山頂から先は山上の庭園となった。

晴れてたら、さぞや気持ちのいいところだろう。



 

真っ白だし、烏帽子どうしようかな。

やっぱりせっかくだから上ろ。

烏帽子山頂。




下ると、風が流れ、烏帽子が見えてきた。

もちょっと、、、もちょっと、、、

恥ずかしがり屋さん。

とうとうその美しい姿を見せることはなかった。


烏帽子小屋で小休止して、

ブナ立ての下りにかかる。

6年前に上った急坂を下る。

下りの方が足にきて大変かも。




この標柱は記憶があった。

ようやく下りきった。




山上から眺めた高瀬の湖畔に着いた。

崩れた土砂が溜まっている。


よくもまあこの大崩落地帯にダムをつくったもんだ。

ダム湖はそのうち埋まってしまうんじゃ。



 

長いつり橋を渡り、トンネルを高瀬ダムへ抜け、

夏の縦走は終了した。


タフな山域で天気イマイチだったが、

北ア主脈踏破が完了し、充実した山行となった。


山の総鎮守よ、ありがとう。


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