2011.11.26

 よし山の会で傾山に上る。


 傾の名の由来は知らないが、今日その姿を間近に見て、ふとひらめいた。

 山体が「かたむ」いているからではなく、山が「かぶ」いているからではないだろうか。


 確かにその姿は、少しかたむいているように見えるが、

 それを以って山名とするような、著しい特徴ではない。

 外見のみで名付けるならば、その山頂部の二大岩峰によるのが普通だろう。


 歌舞伎の語源の「傾く(かぶく)」の意味は、「常識外れ」や「異様な風体」とある。


 山と言うより岩と言った方が当を得ているような山体の、その核心部に屹立する二大岩塊が、

 なだらかなセンゲン辺りから、突然おもいがけなく現れると、まさに常識外れで異様な風体であり、

 観音滝や三つ坊主を従え、低いながらも祖母の金字塔に対峙する断崖絶壁の有様は、

 とんがって、つっぱっていて、傾(かぶ)いているに違いないと思われた。


 世に傾く山も見立からは楽だが、荒れた林道を思うと行きたくなくなる。

 しかし今回、Kさんジムニーのポテンシャル高く、着実に登山口へと運んでくれた。
 
 
 
 
見立からは、申し訳ないぐらい早く
九折越に到着

九折越から三ツ坊主 写真提供Yさん
 
  
  冬木立の長閑な尾根道

冬枯れの山道もなかなか楽しい。
 
 
 
 
傾山 冬木立
 
 
 
尾根道を振り向けば、
遠く祖母、大障子が見えてきた。
 
  山傾き枯れ木もどこか華やげり

  
 
傾きを目指すYさんとKさん
  
  だんだん大きくなっていくカニバサミ
  
 
左天に頂上を見ながら、最後の急坂を上る。
 
  くろがねの傾山や寒烏
 
 
本傾と後傾の間から本谷、祖母を望む。
  
  傾山頂の松
 
 
山頂から本谷へ伸びる縦走路
遠く祖母山
 
  山頂から三ツ坊主の岩稜
 
  
 
尾根道を帰る途中 写真提供Yさん
 
   
  来る年も斜に構えるか傾山
 
 
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